定期積立型投資術



① 持株会 ② 定期積立方式 ③ 算術平均法 ④ ドルコスト法
⑤ トレンドのある正弦波変動の場合 ⑥ スーパードルコスト法 ⑦ 計算例による比較 ⑧ バリュー平均法
⑨ 変形バリュー平均法 ⑩ 平均化

持株会

 私はサラリーマン時代、勤めていたT社の持株会に入っており、給与引き去りで月々1万円ずつを積み立てていました。 月々1万円では何年間も積み立てないと1個(売買単位1000株)には届きませんが、それでも「少ないけど株を持っている」 というささやかな気分を味わいながら.... 。そして、退職したら株券が手元にくる。 議決権のある本物の株主だ。株主総会にも行ってみたい、などと思っていました。

持株会はドルコスト法で購入するので、株高のときは株数が少なく、株安のときは多く買えます。まだ退職する年齢ではなかったので、 会社の株価が高いか安いかには興味がなく、むしろ安い時の方が多く買えるので株数が増えてうれしかったぐらいです。そのうち、 日経平均も私の勤めていたT社の株価も上昇し、こんなに上がったのか驚いたことがありました。世の中はバブルで 地価が急上昇し、私の持っていた株もそれまでの二倍の1400円にまで上昇していました。



それからほぼ10年後、私は早期退職し転職しました。 その時の株価は私が購入した平均の株価よりも少し高い800円くらいでしたので、 端数分は退職時に清算しました。その後、残り分の3000株分が3枚の「株券」として送られてきました。「なるほど、これが株券か」。 私は送られてきた、古風で重々しい印象の株券をしばし眺めたものです。早速横浜駅の近くのほふり機構に預けに行き、 開設していたネット口座で取引できるようになりました。

それからしばらくするうちに、ITバブルがはじけて私の持っていた株価は下落し、 持株会で私が10年以上かけて買った時の最安値よりもさらにずっと安くなっていました。ときどき株価をチェックしては、 随分下がっているなとは思いましたが、新しくついた仕事も忙しく、そのままにしておきました。購入額の半分くらいになったはずです。

その後また株価が上昇し始め、2007年に株価1000円を超えたところでついに一括売却しました。バブル当時の株価には及びませんが、 それでも購入額の5割増し近くにはなったはずです。 結局、企業持株会に加入していた結果、かなりの利益を得ることができました。 この額は、単独の売買としては過去最大の利益でした。なにしろそれまでの経験では、一回の売買で10万程度の利益がやっとでしたから。


私が売却してからおよそ10年が経過しました。その間にも私はT社の株を何回か売買し、幸運にも利益を得ることができましたが、

かって絶対につぶれないといわれたT社は破綻の縁に立っています。わからないものですね---。

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