算術平均法

算術平均とは、幾つかのデータの数値をすべて加え合わせ、さらにそれをデータの個数で割った値で、普通「平均」といっているのはこの算術平均です。 同じ積立方式でも、ドルコスト法のように毎回の購入金額が一定ではなく、株価の変動に比例して購入金額も変化しますから、 積み立てる仕組みとしてはあまり安定したものとは言えません。しかし算術平均で購入しても、株価が平均値より高値をつければ、もちろん利益を得ることができます。

以下は話を簡単にするために、ある銘柄を長期間に渡り一定の時間間隔でi=0,1,..,N-1のN回に分けて同株数ずつ購入したとしましょう。 i回目に購入するときの株価をai、株数をmiと表記します。mi=m(一定)なので、 N回買えば全部の株数はmNですから、一株当たりの単価yは、

equation1-1

となり、N回の株価a0, a1, ..,aN-1に対する 算術平均(またの名を相加平均)となります。
一例として、株価が正弦波的に変化するとした場合を見てみましょう。株価の変動パターンをチャートで見ると、 高くなったり低くなったりを繰り返すことはよくあります。何か波のうねりのような形に見えて、 先々の値動きも予測できるのではないかと思えるほどです(それがずっと続くことはありませんが)。 さて、期間Tの間の株価の変動が正弦波の1周期で近似されて、株価ai

equation1-1

とあらわせるとします。なおこの式ですがN回目のi=N-1でも出発値のAに戻っていません。もう一つ先のi=Nのときに戻ります。 計算の都合上この方がいい(離散的な正弦波や余弦波を加え合わせたとき零になる)ので、購入するのはi=N-1までとします。
株価をすべて加え合わせたとき、正弦波の変動分は打ち消されて消えてしまいますので、 AをN回足したものだけが残り、ANとなります。 従って算術平均すると、平均単価yは

equation1-1

となります。 また、株価の動きが期間Tの間で直線的に上昇あるいは下降したとします。このような値動きは 、持続的に成長していて人気化した銘柄や、逆に経営が不振で不人気化した銘柄などに見られます。 直線的な変化では、株価aiは次のようにあらわせます。

equation1-1

ここでBは増分で、一定値ですが、その符号によって株価の上昇、下降が決まります。期間Tの始まりの株価はAで、 終わりの株価はA+B(N-1)です。平均株価をyとすると、yは期間Tの間の線分の中点ですから 、始めの株価と終わりの株価の平均Amに一致し、次のようになります。

equation1-1
top back next


inserted by FC2 system