ダランベール(2)

それではダランベールに戻って、はじめに、勝てば賭け金を1増やし負ければ1減らす場合を見てみましょう。 負けて1減らしたときに賭け金が0になっては都合が悪いので、最初の賭け金をAとします。

equation1-1

この場合、勝ち負けの差と確率はさきほどと変わらないのですが、賭け金を増減するので損益は変わってきます。 図のように3回とも勝つ場合は3A+3、2回勝って1回負ける場合はA-1、1回勝って2回負ける場合は-A-1、 3回とも負ける場合は-3A+3と、非対称になります。期待値 <E>は

equation1-1


で、やはり0です。もし毎回一定額Aを賭けるとすると、損益mは負けの多い方から順に-3A、-A、A、3Aとなりますが、 ダランベールだと負けたときに賭け金を減らすので、負け続けた場合は賭け金が一定のときより損失が小さくなり、 勝ち続けたときは逆に増やしていくので(パーレーほどではないですが)利益が大きくなります。 また中間の状態では一定額のときより少し不利になります。


つぎに、ダランベールで、先ほどとは逆に勝てば賭け金を1減らし負ければ1増やす場合を見てみましょう。

equation1-1


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やはり期待値 <E>は0ですが、今度は勝ち続けた場合は利益が少なく、負け続けた場合は損失が多くなって不利になります。 そのかわり中間の状態では一定額のときより少し有利になります。勝った後に負ける、 あるいは負けた後に勝つ場合を考えると必ず1増えているので賭けを何度も繰り返して勝ち負けが同数の場合は利益が少しずつ増えていきます。

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