グロース投資にはリスクもある

よく推奨されている銘柄選択のポイントとして、伸び盛りの業界にあって財務内容もよく、年々成長していてさらに将来も伸びが期待できる企業を見つける、 というのがあります。これぞグロース投資ですが、そのように理想的な銘柄をみつけるのはなかなか難しく、宝くじに当たるようなものです。 また、途中で大きな浮き沈みもあるので、リスクにも注意する必要があります。
例えば代表的IT銘柄のYAHOOは、巧みな株式分割戦術もあって、1997年の上場後2年で株価がほぼ200倍になりました。 なんと株価が1億円以上になったのです。しかし株価が200倍になるような企業はめったに見つかりませんし、 はじめから新興勢力のIT業界が今のように巨大な産業に成長するかどうかも、予想できた人は少なかったでしょう。事実、 その2年後にはITバブル崩壊でYAHOOの株も1/10以下になり、同じくIT企業のソフトバンクの株もなんと1/100以下になりました。
ソフトバンクはその後復活し、その発展は驚くばかりで、今では時価総額でも日本で指折りの大企業です。 ゲーム業界ではガンホーが100倍以上になって話題になりましたね。 このように、成長する企業を前もって押さえておき、投資することができれば、 大きな利益を得ることができます。
しかし、株式分割を繰り返しながら株価を吊り上げ、M&Aで売上を大きくして成長しているように見えて、 実は粉飾決算でごまかしている場合も過去にあり、ライブドア事件のように上場廃止になることがあります。 インデックス事件もそうで、M&Aで吸収した会社がうまくいかず、資産を切り売りして株価が1/100以下になったところで、 粉飾決算で倒産しました。
ライブドアの場合は、堀江社長をテレビが散々もてはやしたものだから、 (ビル・ゲイツのような)天才社長がつくりあげた将来大化けする凄い会社というイメージが先行したかもしれません。

お宝銘柄を探すことは株投資の楽しみであり、当たれば大きな利益もたらすものです。しかし実態の良く解らない企業に投資し、 宝くじを買うように夢を追ってばかりいても現実的ではありません。より確実性の高い方法を考えるべきです。 バフェットや竹田和平さんは経営者の誠実さを重視していますが、さすがに卓見だと思います。

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