アメリカの著名な投資家にウォーレンバフェットがいます。彼は世界的な大富豪ですが、その財産を株式投資で築いたことで知られており、
彼を尊敬し手本にしている投資家は世界中に非常に多くいます。
彼の投資戦略は、徹底的に企業価値と成長性を分析し、銘柄を絞った長期投資で大きなリターンを得るというものです。
これは銘柄を絞り込んで集中的に投資するという意味で、フォーカス投資と呼ばれています。
彼は、株価がただ割安であるだけの企業よりも、優れた内在価値をもつ企業を重視しています。そして、基準を満たす企業を買収、
あるいは株式を大量に取得するという集中的な投資を行ってきました。買収した企業の元の経営陣は、バフェットから適正な報酬を受け取り、
そのまま経営をつづけることができます。安定した経営基盤のもとで、安心して経営を続けられる環境を提供するのが、バフェットの方針です。
彼は、ハイテク株のような大きなリターンが狙えるがリスクのあるものには手を出さず、着実な成長が見込める企業を好みました。
彼が投資した代表的な銘柄としてコカ・コーラやアメリカンエクスプレスがあります。
ところで、バフェットは「株式投資の神様」として取り上げられることが多いのですが、あたかも彼が個人投資家で、
株だけでその莫大な財産を築いたかのように持ち上げている場合があります。
彼は投資証券会社(バークシャーハサウエイ社)や銀行などの経営者ですので、株取引のみで得たわけではありません。
実態は投資ファンドの経営者といっていいでしょう。
また、バークシャーハサウエイ社は、古くからの友人であるチャーリー・マンガーと共同で運営をしていますので、個人というよりもチーム力で成果を上げていくタイプのようです。
彼の投資戦略は概略次のようなものです。
企業経営と経営者評価に関しては次のような指針をあげています。
ロバート・G. ハグストロームの「バフェットのポートフォリオ」ダイヤモンド社 (1999/12) には以下のようにきわめて興味深い記述があります
●「バフェットの銘柄選択アプローチは過去20年間ほとんど変わっていない。彼は、企業、経営者、財務、買い付け価格と、この順番で考える。
それはどう見ても単純で素直なアプローチである。しかしその単純さのゆえに、バフェットの投資アプローチは、
バリュー(割安株投資)とグロース(成長株投資)をいかに区別するかという長年の知的な主導権を取る論争の中で注意を引いてきた。
伝統的に、「バリュー投資家」は低いPBR、低いPER、あるいは高い配当利回りに反映される-その基本的な価値に対し割安となっている銘柄を探す。
「グロース投資家」はその収益がきわめて急速に成長し、またそれを続ける企業と連携することによって利益を得ようとする。(中略)
バフェットが折々に説明しているように、ある銘柄利価値は、投資している期間に生じるネットのキャッシュフローを適切な金利で現在価値に割り引いたものである。
成長はそのキャッシュフローに関する計算の一部に過ぎない。
「われわれの意見では、この二つのアプローチ、バリューとグロースはお尻のところでつながっている」とバフェットは言う」(p122)。
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