つなぎ売り

つなぎ売りとは、現物株を保有しているときに、同じ銘柄を信用売りにより「空売り」してその時点での利益を固定することです。 つまり、株価が上がっても下がっても、現物と空売りの損益がキャンセルされるので、空売りした時点での利益がそのまま維持されます。 これは目先株価が下落しそうだが下落の後にまた上昇が見込まれると考えるとき、現物を保持しておいた方が対処しやすいと思われるときなどに使います。

騰落を繰り返している株では、図(a)のように1で買い2で売る、3で買い4で売るというように、 株価の底近くで買い、天井近くで売るのが理想的です。

しかしこれだと上昇局面でしか利益が出ませんから、図(b)のように信用売りを併用したらどうかということは当然考えられます。 これは1で買い、2で売った後、3で信用売り、4で返済買いを繰り返すものです。 信用売り、つまり「から売り」は下落すればするほど利益が得られるのですから、「両手」で利益をつかもうとすれば信用売りは魅力的な手段です。 しかし一般に信用取引はレバレッジを利かすことで大負けする可能性もあるので、避けたいと思われる人も多いでしょう。

つなぎ売りは図(c)のように1で買い、利益が乗った2で空売りをして様子を見るわけです。1から2までの利益は固定されるので、 上がっても下がっても関係ありません。3の様に下がってきたら返済買いをしてから売り解消をします。1と3の株価が同じでも1→2分の利益が確保され、 さらに現物が残っていますので、3が底だとすると、そこから上昇した分がまた利益になるわけです。 一方、2から4のように上がってしまってそこから下がりそうもなければ、現物で返済して(現渡し)空売りを解消します。 手元はノーポジションで、1→2分の利益が残ります。
つなぎ売りは結局様子見の手段で、立場的にはニュートラルです。つなぎ売りをするくらいなら、一旦売って、下がったところで買いなおしても同じではないか、 ということも言えると思います。実際、つなぎ売り後の決断のタイミングが難しくて、少し下がったところで解消したらさらに下がったなどということはよくあるので、 それくらいならすべて売った方がすっきりはします。

ただ以前、大きな利益が乗った局面で様子を見ている間に下がってしまい、利幅が小さくなった経験もしているので、 さらに上がるかもしれないがいったん利益を確定させて様子を見ようというとき、なかなか決断がつかないときの手段としては大いにありだと思います。 (私などは下がってくるのが待てなくてすぐに現渡しで売ってしまいますが)

つなぎ売りで、現物と1対1ではない比率で空売りをする方法も考えられます。例えば、図(c)で1から2まで来たときに持ち株の1/2を空売りする場合は、 さらに株価が上昇すれば半分現物が残っていますので、その分の利益を上乗せできます。空売り分はどこかで持ち株の半分を現渡しして解消すればよいでしょう。
逆に株価が下落しそうな場合は、現物分が損失になりますので手早く売り、 空売り分はいつでもいいので、底まで待って返済する(現物の1/2でもう一度上がるのを期待する)なり、現渡しでポジションを解消してしまうこともできます。

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