買い増し型投資術



① 買い増し型投資術 ② 期待値 ③ ギャンブル必勝法/マーチンゲール ④ グランマーチンゲール/パーレー
⑤ ダランベール(1) ⑥ ダランベール(2) ⑦ 一般的なギャンブルの法則 ⑧ 株数一定の買い下がり
⑨ ダランベール式買い下がり ⑩ マーチンゲール式買い下がり

買い増し型投資術

買い増し型とは、俗にいう「ナンピン」のことです。安くなったところで買い増しをして株数を増やし、高くなったところで売ろうというものです。 ところが、『下手なナンピンすかんぴん』という相場の格言があるぐらいで、ナンピンは損失を大きくするだけだとして、 株価が下がったときには「ナンピン」より「損切り」を勧める人も多くいます。 この辺は、短期売買で「損切り」をしてでも回転を早くして( 小さな )利益を積み上げていくのか、長期投資で「ナンピン」をして 買い単価を下げるとともに株数を多くし、値上がりしたときに大きな利益を狙うのか、投資する人の資産や生活の時間的余裕度もありますし、 また性格や好みによるところも大きいと思います。 株の買い方、売り方の本などでは、過去2年間の平均を調べ、平均より安ければ買って積み立てていき、平均より高くなったら売る。 などという戦略が勧められたりします。 邱永漢さんも著書の中で、

● 株のコツは「株はチビリチビリ買い、チビリチビリ売るのがコツ(110頁)」と言っています。 「5000株買うお金がある場合、たいていはいっぺんに買わないで分けて買います。これを「ナンピン(難平)買い」と呼んでいる。「 ナンピン」というのは平均化するという意味です。

株の原則」(光文社、2000年)
というように、「ナンピン買い」を勧めています。 この章では、株を買い増していくときの色々な方法について有効性を検証していきますが、それらの方法のもとになっているのはギャンブル、 つまり賭けごとに用いられてきた様々な方法です。そこで、はじめにギャンブルの投資法について少し触れてみたいと思います。 また、数学的に評価する手段として確率統計の分野で用いられる「期待値」を使いますので、最初に期待値の説明から入ります。

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