① 投資とギャンブル | ② ドストエフスキーの賭博者 | ③ バフェットの投資術(1) | ④ バフェットの投資術(2) |
⑤ 竹田和平氏の投資術 | ⑥ 投資の基本的な考え方 | ⑦ グロース投資にはリスクもある | ⑧ テクニカル投資法 |
⑨ 順張りと逆張り | ⑩ つなぎ売り | ⑪ 株で利益を売るために必要なこと |
● 「ゼロさ、ゼロだよ! また、ゼロだよ! できるだけたくさん賭けとくれ! 全部でいくらあるんだえ?
70フリードリッヒ・ドル? そんなもの、惜しむことはない、いっぺんに20フリードリッヒ・ドルずつお賭け」
「しっかりしてくださいよ、お祖母さん! ゼロなんて、時によると200回も出ないことがあるんですよ! 本当です、元手を全部すっちまいますよ」(p162)
● 「しかし、あの人はいずれ負けちまいますよ。何もかもすってんてんにはたくでしょうよ! あの人の賭けっぷりを、あなた自身も見たでしょうに。
あなたは目撃者でしょうが。いったん負けだしたら、あの人は頭に来て、意地になって、賭博台から離れようとしないでしょうし、どこまでもどんどん勝負するでしょうよ。
そうなったら、決して負けを取り戻せっこないし、あげくのはては.....あげくのはては....」(p180)
ドストエフスキー 「賭博者」 原卓也 訳 新潮文庫
これはドストエフスキーの小説「賭博者」の一節ですが、ギャンブルと同一視されることもある株式投資について、単なる偶然性に頼るのではなく、
もっと数学的、科学的見地から分析し、利益を生み出すことが出来ないのか?
これがエンジニアであり、へっぽこ投資家でもある私の"ささやかな"願いです。大儲けしたいとは思いません。負けない程度でよいのです(ウソです)。
世の中には株取引で莫大な財を成した投資家がいるらしい、ということは聞いたことがあると思います。
しかしそれらはごく一部の人で、多くの人は損をしているかもしれない、いやきっと損をしているに違いない。
なぜなら、株取引は賭けごとと同じで、賭けごとで儲かった人などいないのだから。
これが世間一般のイメージではないでしょうか。日本では株取引をしている個人投資家の割合が低く、また昔株で損をした経験のある人も大勢いるので、
一部の人は株取引を、手を出してはいけない、危ないもののように考えているのです。
しかし、株取引は賭けごととは本質的に違う面も持っており、冷静に対処していけば、賭けごとで大金を失うような目にも合わずにすむのです。
「金儲けの神様」として知られる邱永漢さんは次のように言っています。
●「しかし、逆にこういうことは言える。バクチ運以外に他の要素がたくさん入っている分だけ、やりようによっては、非常に安全性の高いバクチ、ともいえます。
もとが全部なくなることはめったにないんです。確率性という点では、競馬や競輪とは本質的に違う。
競馬、競輪に限らず、バクチで億万長者になった人の話なんか聞いたことがないですけれども、株式投資にはいっぱいいる。
かつての是川銀蔵さんのように、所得番付で日本一になる人もいます。億万長者はともかくとして、株の儲けで家を建てるぐらいは、決して珍しくありません。」
邱永漢、「株の原則」、知恵の森文庫
株は本当に儲かるのでしょうか。出来る限り安全性を担保し、なおかつ利益を上げる方法などというものがあるのでしょうか。
そのような疑問について考えていく前に、次のページでは先ほどのドストエフスキーの中編小説「賭博者」を取り上げて、登場人物が賭けごとにのめりこんでいく描写をみてみたいと思います。
株で損をする人の心理状態とも似通っているのではないでしょうか。
さらにその後に、株取引で大成功を収めたウォーレンバフェットと竹田和平氏という有名な株式投資家を取り上げ、その投資哲学と投資方法について簡単に紹介します。
二人とも莫大な財を築いたのですが、お金に対する謙虚な考え方、人生についての真摯な哲学をもっており、人間としてもすばらしく尊敬に値する人たちです。
その投資方法については詳しく書かれた本が何冊も出版されていますので、具体的な内容、考え方などを知ることができます。その人生哲学に触れることは大いに投資の参考になるでしょう。
最後に、投資方法の基本的な分類についても簡単に紹介します。
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